更新日:
「最近、なんかツイてないな…」 そんな風に思うこと、誰にでもある。 仕事もうまくいかない。プライベートもパッとしない。 なんなら朝の目覚ましさえ鳴らなかった——。
でも、ある日突然「あなたの運が良くなる場所へお連れします」ってタクシーが現れたら? そんな不思議な展開から始まる小説『運転者』は、まさに運と人生の本質を教えてくれる一冊だった。
読み進めるうちに、 「運は“待つもの”じゃなく、“育てるもの”だったんだ」 と気づかされる。 しかも、それって意外とシンプルな方法でできるのかもしれない——。
これまた小説なんだけど、自己啓発というか、人生の訓話がたくさん詰まってる感じ。
喜多川泰さんの本なんだけど、有名な「賢者の書」よりも、さらに普通の物語の小説っぽくて、伏線回収も上手くて、気づいたら読み終わってた。
冴えないサラリーマンが、一台の不思議なタクシーに乗るんだよね。
そのタクシーが「あなたの運の良くなる場所に連れていきます」って言って、主人公の運を変えていく。
あんまり言い過ぎるとネタバレになるから、ちょっと控えるんだけど、まぁちょっと不思議な運転手だよね。 主人公に起こることが、なんとなく視えるみたいな感じで進んでく。
面白いのは、運転手が連れて行ってくれるけど、
実際に運を掴めるかどうかは“本人の態度次第” なんだよね。
ムスッとしてたり、不機嫌でいると、運は寄ってこない。
運は“上機嫌な人”のもとにしか来ないっていうのが、この本のひとつの教訓。
難しい。
でも逆境の中でも明るく振る舞える人にこそ、人も運も集まる。
そう思わせてくれるエピソードがたくさん出てくる。実際の自分の周りにいる人でも、みんな常に明るく振る舞えている人って、運良さそうだよなぁって思う。他人の悪口言ったり、不平不満ばっかり言って改善しない人とかはちょっとって思うよね(他人の悪口は一番盛り上がるから、それはそれで必要な気はするけどね)
「運はポイント制」って考え方も面白かったな(笑)
誰かにいいことをして、それが返ってこなかった時に“運ポイントが貯まる”っていう仕組み。
つまり、自分がした親切の“余り”が運になるっていう発想。
そう。
だから運がいい人って、実は日頃からそのポイントを貯めてる人なんだよね。
一気にドーンと使うんじゃなくて、小出しにしてる。
実際、自分も運を貯めようと思って、
例えば、掃除したり、自分から周りに挨拶したりしてる。
ゴミが落ちてたら拾えるように、サコッシュに小さな袋も入れてあるよ。
……まあ、捨てるの忘れて、ゴミが溜まってるだけだけど(笑)
それが功を奏したのか、ある社員に「いつもみんなが使うテーブルきれいにしてくれてるんですね!ありがとうございます」って言われたことがあって。
ちょっとこそばゆかったけど、嬉しかった。でも、
「ここで使っちゃったな、運ポイント…」とも思った(笑)
まぁ、ツイてるツイてないってのは、結局その人自身がどう思ってるか次第なんだよね。大金が手に入る事が運でもないし、仕事でうまくいく事だけも人生じゃない。
たぶん本当に大事なのは、
「運が良いか悪いか」の2択じゃなくて、自分にとって何が大事かってことなんだと思う。
そのことを思い出させてくれるエピソードもあったんだけど……ネタバレになるのでこのへんで!
『運転者』は、“運の正体”を物語として教えてくれる本だった。
目に見えない“運ポイント”を、今日も誰かにそっとプレゼントするように生きていく。
そんな姿勢こそが、人生を変えていくのかもしれない。
ぜひ、物語の続きはあなたの耳で確かめて。
二人の娘の父。サウナ、シーシャ、プログラミングを愛し、現代のシャーマン的存在を目指す。 新卒でベンチャーに入った後、起業に失敗し、現在はサラリーマンとしてマーケティングを行なっている。