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「東洋哲学」って聞くと、なんだか難解で、学者が読むものってイメージが強い。少なくとも、自分にとってはそうだった。でも、この本を読んだらその偏見が一気に吹き飛んだ。そもそも哲学なんて、日常生活で触れる機会がほとんどないし、「なんか偉そうなことを難しく言ってるだけじゃないの?」って思っていたが、昔の天才が考えただけあって、めっちゃ奥深くて、意外に真理はシンプルだったんだ。ということに気づいた。ぜひ皆さんも、この本を手に取って同じ気持ちを味わってほしい。
この本の一番の特徴は、語り口がとにかくポップで親しみやすいこと。難しい話をしているはずなのに、まるで友達と雑談しているような感覚で読める。「哲学の本」ってよりも、「面白い娯楽作品」に近い感じ。特に例え話が秀逸で、現代の日常生活に絡めて説明してくれるから、読んでいて「わかる!」ってなる。
抜粋すると長くなるので、エッセンス的にはこんな感じ
敬意を込めつつ、イジっているあたりがとても親近感持てる。
こんな感じで、難しい話のエッセンスを現代的に翻訳して伝えてくれるので、わかりみが深い。
仏教の教えとか、親鸞や空海のエピソードが紹介されているんだけど、その歴史をただ並べるんじゃなくて、ちゃんとストーリーとして語られているのがすごい。特に親鸞が「念仏だけで救われる」という浄土真宗を打ち立てた背景を知ると、「南無阿弥陀仏」って、自分も唱えたくなった。
この本の筆者、実は東大卒。でも「東大出身で頭が良い人が書いた堅苦しい本」じゃない。むしろ、東大卒だけどその後の人生で失敗しまくった経験が、この本にめちゃくちゃ説得力を与えてる。
例えば、地方移住に失敗したり、芸人を目指してR-1に出たけど1回戦で敗退したり、奥さんにフラれたり。そんな挫折から「東洋哲学」にたどり着いて、そこから得た救いをこの本に詰め込んでる。筆者の人生そのものが、東洋哲学の実践例になってる感じ。
この本では、ブッダ、龍樹、老子、荘子、達磨、親鸞、空海など、7人の東洋哲学者を歴史の流れに沿って紹介している。それぞれの哲学者がどんな教えを残したのか、そしてその教えが現代の僕らにどう関係してくるのかを教えてくれる。そのため、東洋哲学を全体的に知ることができるし、まさに東洋哲学に入門するのにぴったりの本。
特に親鸞の「僧侶なのに、パーカー着てた説」には思わず笑った。現代風に解釈すると、親鸞って、キツイ修行をするのが当たり前だった仏教界の中に、めっちゃリラックスした生き方を提案してたんだなって感じる。筆者の軽快な語り口もあって、歴史の人物がぐっと身近に感じられる。
クラスメートに例えてるのも、親近感が湧く。
ブッダ:実家が太い引きこもり、窓の外ばっか見てる 龍樹:インドの論破王ひろゆき、先生からしてもめんどくさい 老子:ほぼ草と同化しており、認知できない 荘子:威厳のある引きこもり。学校にそもそも来ない 達磨:禅極めすぎて、全然しゃべらない。教室の壁に向かって黙ってそう。 親鸞:わざとテストで0点を取るタイプ。案外お調子者なのかな。 空海:陽キャなのに天才。漫画の主人公みたい。
この本を読んでほしいのはこんな人たち。
特に、「自分に救いなんてない」と思っている人にこそ読んでほしい。この本には、そんな人を元気づける力があると思う。
この本を読んで感じたのは、「人生って案外なんとかなるかもしれない」という希望。それと同時に、「自分とか、ないから」という東洋哲学のシンプルかつ究極の心理を知ることで、肩の力が抜ける感じ。
自分自身も、人生ハードモードすぎて、人生投げたくなることがよくあったのだけど、この本を読んでからは、全ては「空(くう)」だし「自分なんて、ない」って思えるようになって、だいぶ気が楽になった。そして、なんだかんだこう言った東洋哲学の思想にハマって、色々調べるようになったし、寺とかに普通に行きたくなってる自分がいる。最近では「唯識の思想」を学んでいるが、これも非常に面白いのでまたブログに書きたい。
最後に、もし東洋哲学や仏教に興味がないと思っている人でも、この本はきっと楽しめるはず。漫画みたいな感じで「面白いから読んでみて!」って気軽にオススメできる一冊。
ぜひ一度この本を手に取って、東洋哲学の奥深さとシンプルさに触れてみて。きっと人生が少し軽くなるはず。
Audible で聞いても、語り手の、煽った話し方が上手いので、めっちゃ引き込まれるよ。
二人の娘の父。サウナ、シーシャ、プログラミングを愛し、現代のシャーマン的存在を目指す。 新卒でベンチャーに入った後、起業に失敗し、現在はサラリーマンとしてマーケティングを行なっている。