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「自己啓発書って、なんか説教くさいし、結局よくある話でしょ?」
そんな風に思っていた時期が、僕にもありました。
でも、『人生は楽しいかい?』は違いました。
読んでみたら… めちゃくちゃ面白い!
普通に小説として楽しいし、いつの間にか 人生の大事なこと を学んでいる。
主人公は、どこにでもいる冴えない営業マン。
そんな彼が、関西弁を話す謎のロシア人・ゲオと出会い、
仕事も人生もズタボロな状態から、 ロシア特殊部隊の システマの教え を通して変わっていく。
で、何がいいかって…
ただの師匠キャラじゃなくて、 ユーモアと優しさに溢れている。
厳しいことを言いつつも、どこか温かい。
だからこそ、読んでいるうちに 「この人にもっと学びたい」 と思ってしまう。
ふつうの自己啓発書なら「こうすれば成功する!」とノウハウを語られるだけだけど、これは違う。
物語としてワクワクしながら読めるから、気づいたら学んでる。
というか「システマ」なんて全く興味なかったけど、この本を読むと、仕事や人生にも、システマから学べることってめっちゃあるなぁと共感できて、すごく興味が湧いた。
本の序盤で語られるのが、 「ゆっくりやる」 ことの大切さ。
例えば、リーバイスの創業者リーバイ・ストラウスの話。
ゴールドラッシュ時代、人々が必死で金を掘っていた中で、
彼は金を掘らずに、周りをゆっくり見渡した。
そこで、「丈夫なズボンが足りていない」と気づき、
その結果、 世界的ブランド「リーバイス」 が生まれた。
つまり、世の中の成功って、
焦る人じゃなくて、ちゃんと周りを見れる人がつかんでる ということ。
物語の中でも、主人公は焦ってミスを繰り返してしまう。
でも、ゲオと出会い、「まずはゆっくりする」ことを意識し始めてから、
だんだんと変わっていく。
「1分1秒を争う仕事なんて、実はほとんどない」
このことに気づくと、むしろ仕事の効率が上がる。
そして、読んでいるこっちも 「ちょっと試してみようかな?」 という気持ちになる。
システマでは、 「呼吸がすべてのカギ」 という考え方がある。
例えば、緊張した時、人は無意識に息を止めてしまう。
パニックになれば、視野が狭くなり、思考が止まる。
戦場ではそれが命取りになる。
一方で、システマの呼吸法を実践すると、
落ち着いて状況を判断できるようになる。
「鼻から吸って、口からフーッと吐く」
必要なのはそれだけ。
ただそれだけなのに、なぜか心が落ち着く。
実際にやってみると、 仕事や日常のあらゆる場面で使える のが分かる。
例えば、自分がイライラしている時って、いつの間にか呼吸が浅くなっていることに気づく。というか、この本を読んでから、意識するようになって気づいた。 イライラしてるな〜って思ったら、まず、呼吸を整えることで、少し落ち着きを取り戻すことができるようになった気がする。
ある程度成長してきた主人公は、
「もっと頑張ろう!全力でやらなきゃ!」 と思い始める。
でも、システマの考え方では、
「常に3割の余力を残す」 ことが大切だとされている。
フルマラソンを全速力で走ったら、すぐに倒れる。
それと同じで、100%の力を出し続けると、
いざという時に動けなくなってしまう。
「意味なく消耗しない」
「回復力を高める」
この2つを意識するだけで、
仕事も人生も、驚くほど楽になる。
「全力」ではなく「普通であること」が一番大事。 なので、システマの奥義が「呼吸」なのも頷ける。
別にすごいことじゃなくて「普通であること」というのは、意外に難しいけど、それこそが人生においても大事なんだと、気付かされた。
この本のタイトルは 「人生は楽しいかい?」。
読んでいると、まるでゲオに直接聞かれているような気がしてくる。
「お前、最近楽しんでるか?」
「焦りすぎて、大事なこと見失ってへんか?」
読んでいるうちに、自然と 「ちょっとやってみるか」 という気持ちになる。
で、実際にやってみると… 意外と効果がある。
これが、この本のすごいところ。
この問いに、「YES!」と答えられるように、
あなたもまずはゲオの教えを体験してみてはいかが!?
二人の娘の父。サウナ、シーシャ、プログラミングを愛し、現代のシャーマン的存在を目指す。 新卒でベンチャーに入った後、起業に失敗し、現在はサラリーマンとしてマーケティングを行なっている。